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23. Urashimataro

昔々、小さな漁村に浦島太郎という、
とても心のやさしい若者が住んでいました。
むかしむかし、ちいさなぎょそんにうらしまたろうという、
とてもこころのやさしいわかものがすんでいました。
Long, long ago, in a small fishing village,
lived a kind-hearted man called Urashimataro.
 
ある日のこと、太郎が浜辺を歩いていると
子どもたちが亀をたたいたりけったりしていじめているのを見ました。
あるひのこと、たろうがはまべをあるいていると
こどもたちがかめをたたいたりけったりしていじめているのをみました。
One day, when he was walking on the beach,
upon seeing some children hitting and kicking a poor turtle,
 
浦島太郎は亀がかわいそうになり子どもたちにこう言ったのです。
うらしまたろうはかめがかわいそうになりこどもたちにこういったのです。
he said,
「弱いものいじめをしてはだめじゃないか。
このお魚をあげるから、その亀を逃してあげなさい。」
「よわいものいじめをしてはだめじゃないか。
このおさかなをあげるから、そのかめをにがしてあげなさい。」
"You shouldn't pick on weak things, should you?
I'll give you this fish, now let that turtle go."
 
亀は太郎にお礼を言いました。
かめはたろうにおれいをいいました。
The turtle thanked Taro.
 
「おかげさまで助かりました。
お礼に海の中の竜宮城へご案内しましょう。」
「おかげさまでたすかりました。
おれいにうみのなかのりゅうぐうじょうへごあんないしましょう。」
"Thanks to you, I'm saved.
As a token of my gratitude, I shall show you to the Palace of the Sea Godess, Otohime, in the ocean."
 
太郎は亀の背中に乗って竜宮城へと向かったのです。
たろうはかめのせなかにのってりゅうぐうじょうへとむかったのです。
Taro got on the turtle's back and they headed towards the palace of the Sea Goddess.
 
「浦島さん、あれが竜宮城です。」
「うらしまさん、あれがりゅうぐうじょうです。」
"Mr. Urashima, that is the palace of the Sea Goddess."
 
「あぁ、なんと立派なお城だろう。
海の中にこんなお城があるなんて。」
「あぁ、なんとりっぱなおしろだろう。
うみのなかにこんなおしろがあるなんて。」
"Wow, what a splendid palace.
It's amazing that there's such a palace in the middle of the ocean."
 
太郎はそのお城の大きさと美しさにびっくりしました。
たろうはそのおしろのおおきさとうつくしさにびっくりしました。
Taro was astonished at the beauty and bigness of that palace.
 
竜宮城では美しい乙姫さまが太郎を出迎えてくれたのです。
りゅうぐうじょうではうつくしいおとひめさまがたろうをでむかえてくれたのです。
At the palace, a beautiful princess came out to meet Taro.
 
 
「浦島さん、今日は亀を助けてくださって本当にありがとうございます。
どうぞ、ゆっくりしていってください。」
「うらしまさん、きょうはかめをたすけてくださってほんとうにありがとうございます。
どうぞ、ゆっくりしていってください。」
"Mr. Urashima, thank you for helping the turtle today.
Please go and make yourself comfortable."
 
乙姫さまはたいへんなごちそうで太郎をもてなしました。
おとひめさまはたいへんなごちそうでたろうをもてなしました。
The princess welcomed Taro with a fabulous banquet.
 
たろうはおいしいごちそうに大喜びです。
たろうはおいしいごちそうにおおよろこびです。
Taro was thrilled with the delicious meal!
 
食事の後は、海の生き物たちが歌ったり、
おどったりして太郎を歓迎しました。
しょくじのあとは、うみのいきものたちがうたったり、
おどったりしてたろうをかんげいしました。
After the meal, the creatures of the sea welcomed him by singing and dancing.
 
こうやって太郎は楽しい時を過ごしたのです。
こうやってたろうはたのしいときをすごしたのです。
And like this, Taro spent many happy days.
 
まるで夢のような毎日が過ぎていきました。
まるでゆめのようなまいにちがすぎていきました。
 And each day passed like it was a dream.
 
ところがある日、実家のことを思い出して、
急に家が恋しくなりました。
ところがあるひ、じっかのことをおもいだして、
きゅうにいえがこいしくなりました。
But one day, he remembered his house,
and suddenly became homesick.
 
He said,
「おかげさまでとても楽しい時を過ごすことができました。
でももう家に帰らなくてはなりません。
年老いた父と母が心配しますので。」
「おかげさまでとてもたのしいときをすごすことができました。
でももういえにかえらなくてはなりません。
としおいたちちとははがしんぱいしますので。」
"Thanks to you, I was able to spend many fun days.
But, now I have to go home.
 Because my old parents will worry."
 
「そうですか、それは残念です。
それではおみやげにこの箱を差し上げましょう。」
「そうですか、それはざんねんです。
それではおみやげにこのはこをさしあげましょう。」
"Is that so? That's regrettable. Well, I shall give you this box as a souvenir."
 
そう言うと乙姫さまは太郎に美しい箱を渡したのです。
そういうとおとひめさまはたろうにうつくしいはこをわたしたのです。
And with that, Princess Otohime passed Taro a beautiful box.
 
「持っているだけで幸せになれる、『玉手箱』と呼ばれる箱です。
でも、どんなことがあっても、決してふたを開けてはいけませんよ。」
「もっているだけでしあわせになれる、『たまてばこ』とよばれるはこです。
でも、どんなことがあっても、けっしてふたをあけてはいけませんよ。」
"Just holding this, you will become happy. This box is called tamate box.
But no matter what happens, you can never open the lid."
 
太郎は箱をもらうとお礼を言って、乙姫さまとお別れしました。
たろうははこをもらうとおれいをいって、おとひめさまとおわかれしました。
Taro took the box, said his thank yous, and parted with Princess Otohime.
 
亀の背中に乗って元の浜辺へと帰って来たのです。
かめのせなかにのってもとのはまべへとかえってきたのです。
He got on the turtle's back and returned to the original beach.
 
ところが浜辺の様子はすっかり変わっていました。
ところがはまべのようすはすっかりかわっていました。
But the appearance of the beach had changed completely.
 
そこにあったはずの木や建物がひとつも見あたらないのです。
そこにあったはずのきやたてものがひとつもみあたらないのです。
There he wasn't able to see the tree that was supposed to be there, the building that was supposed to be there,
自分の家すらもありません。
じぶんのいえすらもありません。
and even his own house didn't exist.
 
すれちがう人も知らない人たちばかりです。
すれちがうひともしらないひとたちばかりです。
Everybody passing him were complete strangers.
不安になった太郎は通りすがりの老人にたずねてみました。
ふあんになったたろうはとおりすがりのろうじんにたずねてみました。
 Now, a worried Taro asked a passing old man,
「この辺に浦島太郎という人の家はありませんか。」
「このへんにうらしまたろうというひとのいえはありませんか。」
"Isn't there the house of Urashima Taro in this area?"
 
するとその老人はこう答えました。
するとそのろうじんはこうこたえました。
With that, the old man said this:
「あぁ、もうずいぶん昔にそんな家があったそうじゃ。
なんでもそこに住む若者が亀の背中にまたがって
海へ行ったきり戻って来なかったという話じゃが・・・」
「あぁ、もうずいぶんむかしにそんないえがあったそうじゃ。
なんでもそこにすむわかものがかめのせなかにまたがって
うみへいったきりもどってこなかったというはなしじゃが・・・」
"Ah, a long time ago, I heard there was such a house.
Well, there is a story that the young boy who lived there got on the back of a turtle,
went out to sea, and never returned."
 
「ほんの何日かだけだと思っていたのに。
もう何十年も過ぎていたなんて・・・」 
「ほんのなんにちかだけだとおもっていたのに。
もうなんじゅうねんもすぎていたなんて・・・」 
"I thought it was just a few days, but decades have passed."
 
太郎は驚いてしまいました。
たろうはおどろいてしまいました。
Taro was completely surprised.
 
そして乙姫さまとの約束を忘れ、
あの玉手箱のふたを開けてしまったのです。
そしておとひめさまとのやくそくをわすれ、
あのたまてばこのふたをあけてしまったのです。
Then he forgot the promise he made to Princess Otohime
and he opened the lid to the tamate box.
すると中からまっ白いけむりがもくもくと出てきたのです。
するとなかからまっしろいけむりがもくもくとでてきたのです。
And then, from the box, white smoke floated up.
太郎はすっかりおじいさんになってしまったのです。
たろうはすっかりおじいさんになってしまったのです。
Taro became an old man.
おしまい
おしまい
The end.