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19. Touching Down
アナウンス: |
札幌行き321便はまもなく札幌空港へ着陸致します。 現在の札幌の天候は晴れ。 気温は二十度となっております。 またのご利用を心からお待ちしております。 |
アナウンス: |
さっぽろゆき321びんはまもなくさっぽろくうこうへちゃくりくいたします。 げんざいのさっぽろのてんこうははれ。 きおんはにじゅうどとなっております。 またのごりようをこころからおまちしております。 |
Announcer: | Flight 321 headed for Sapporo will soon land. The weather in Sapporo is now sunny. The temperature is 20 degrees. We're looking forward to serving you again. |
智子: | 理由がわからないけど、急にどきどきしてきました。 |
さとこ: | りゆうがわからないけど、きゅうにどきどきしてきました。 |
Satoko: | I don't know the reason, but I suddenly became nervous. |
竜太: | 大丈夫ですか。 |
りゅうた: | だいじょうぶですか。 |
Ryuta: | Are you okay? |
智子: | おかしいです。すごくおかしいです。 |
さとこ: | おかしいです。すごくおかしいです。 |
Satoko: | Strange, very strange. |
竜太: | 何が? |
りゅうた: | なにが? |
Ryuta: | What is it? |
智子: | こんな気分久しぶりです。 私は普段世界貿易機関で冷静に話せるのに、 なんで地元のことを考えると緊張するんでしょう。 |
さとこ: |
こんなきぶんひさしぶりです。 わたしはふだんせかいぼうえききかんでれいせいにはなせるのに、 なんでじもとのことをかんがえるときんちょうするんでしょう。 |
Satoko: | I haven't felt like this in a long time. Even though I can speak calmly in front of the WTO, why do I become nervous when I think about my hometown? |
竜太: | まあ、人生とはそういうものです。 時間が経つほど、記憶がゆがんでいく。 |
りゅうた: | まあ、じんせいとはそういうものです。 じかんがたつほど、きおくがゆがんでいく。 |
Ryuta: | Well, that's life. The more time passes, memories change. |
智子: | どういうこと? |
さとこ: | どういうこと? |
Satoko: | What do you mean? |
竜太: |
心が記憶を少しずつ変えていく。 例えば、昔の彼女がそうです。 当時、彼女はすごくきれいでした。 別れてから全然会っていません。 頭の中で時間が止まっているから、彼女はずっと美しいんです。 |
りゅうた: |
こころがきおくをすこしずつかえていく。 たとえば、むかしのかのじょがそうです。 とうじ、かのじょはすごくきれいでした。わかれてからぜんぜんあっていません。 あたまのなかでじかんがとまっているから、かのじょはずっとうつくしいんです。 |
Ryuta: | Your heart changes your memories bit by bit. For example, my old girlfriend. At the time, she was really beautiful. After breaking up, I haven't seen her once. But, because in my mind time stants still, she is always beautiful. |
その上、心の魔法で彼女はもっときれいになります。 しかし、実際にその子と会ったら、頭の中の彼女と全然違う。 |
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そのうえ、こころのまほうでかのじょはもっときれいになります。 しかし、じっさいにそのことあったら、あたまのなかのかのじょとぜんぜんちがう。 |
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Besides that, the heart plays tricks and she has
become even more beautiful. But, if I met her in real life, she would be totally different from the girl in my mind. |
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まあ、言いたいことは、つまり、智子さんの頭の中の悪い思い出ほど、 現実は悪くないんです。 戻ったらわかりますよ。 |
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まあ、いいたいことは、つまり、さとこさんのあたまのなかのわるいおもいでほど、 げんじつはわるくないんです。 もどったらわかりますよ。 |
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Well... What I want to say
is, in other words, it isn't as bad in real life as it is in your head.
You'll understand when we return. |
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智子: | ありがとう、竜太さん。 竜太さんと一緒にいると何となく落ちつける。 |
さとこ: | ありがとう、りゅうたさん。 りゅうたさんといっしょにいるとなんとなくおちつける。 |
Satoko: | Thank you, Ryuta. When I'm together with you, I can somehow relax. |