| 問題Ⅲ 次の(1)から(6)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1,2,3,4から一つ選びなさい。 |
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(1)
我が家では「バカ」という言葉を使ってはいけないという禁止令を出しました。何気なく(注1)口に出していた言葉、ついつい(注2)使ってしまいます。ある時「バ」まで言ってから気がついて、子供はその後「……ビブベボ」。私は「バ……バン、バン、バン」と続けてごまかし(注3)ました。起こっていた気持ちが笑いに変わりました。 (1999年2月14日付「毎日新聞」の投書による)
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(注1)何気なく(なにげなく):何となく (注2)ついつい:うっかり (注3)ごまかす:失敗を別のことで目立たなくする |
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(2)
ぼくは、こどもの頃から、たいへん、ひとみしりをする質(注1)で、ひと前に出るよりは、ひとりきりで(注2)いた方がいい。学校の教室などでも、ハイ、ハイと手を上げて、われ先に(注3)自分の意見を言える子たちを見ても、ぼくにはとてもあんなふうには真似できない。だから、自分のことを、なかなか他人に伝えたり、分かってもらえなくて、悲しい思いや、傷ついたりすることも多く、ああ、なんて、ぼくは損な性格に生まれついたんだろう、と我が身が腹立たしく、くやしく思ったことも一度ならずあった。 (大林宣彦「きみが、そこにいる」PHP研究所による)
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(注1)質:性質、性格
人見知り ひみしり
- shyness
(注2)ひとりきりで:ひとりだけで (注3)われ先に:ほかの人より自分が先になって
損な そんな
- unfortunate, disadvantaged |
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(3)
日本人は、水をめぐって古くから争ってきた。日本に比較的雨が多い国なので、水には不自由していないはずである。しかし、日本の川は流れが速くて利用が難しく、地下水が出るところも限られているため、水を得るには大変な苦労が必要であった。水がないために、米はもちろん、作物さえもほとんど作れない地方もあったのである。この事情は、基本的には現在も変わっていない。大きな川がない市や町では、となりの市や町に、金を払って水道の水を分けてもらっている。そのため、住む場所によって、水道料金には大きな開きが見られる。
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(4)
昔、モンシロチョウ(注1)で実験してみたことがある。ケージ(注2)の地面にいろいろな色の大きな紙を敷き、チョウがどの色の紙の上をよく飛ぶかを調べたのだ。やはり緑色の紙の上を、もっとも好んで(このんで)飛ぶようであった。なるほど、チョウは緑色であれば紙でもいいのだな、とぼくは思った。
けれどこれは、チョウチョにはたいへん失礼な思いちがいであった。ほんものの草を植えた植木鉢をたくさん並べたら、チョウは緑色の紙など見向きもせず、ほんものの草の上ばかりを飛んだのである。 (日高敏隆「猫の目草一緑なら自然か?」『波』1998年6月6月号 新潮社による) |
(注1)紋白蝶
モンシロチョウ:ここでは「チョウ」「チョウチョ」もモンショロチョウを指す。 (注2)ケージ:鳥などを入れるかご |
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(5) NHK放送文化研究所では、1973年から5年ごとに、生き方、家族のあり方、政治、宗教、社会正義(注1)といったことについて、日本全国の16歳以上の男女約5400名を対象に面接調査を行っている。
この調査の中に、「人のよって生活の目標もいろいろですが、リストのように分けると、あなたの生活目標に一番近いのはどれですか。」という質問がある。回答者は次の四つの中から答えを選ぶことになっている。 1.その日その日を、自由に楽しく過ごす。 2.しっかりと計画を立てて、豊かな生活を築く。 3.身近な(注2)人たちと、なごやかな(注3)毎日を送る。 4.みんなと力を合わせて、世の中をよくする。
下のグラフは、この質問について1973年と1993年の結果を比べたものである。ここでは、回答の1と3をまとめて「現在中心」(グラフでは•)、2と4をまとめて「未来中心」(グラフでは)としてある。
Ⅰ―2図 生活目標―「現在中心」・「未来中心」(年層別) |
(注1)社会正義:社会のために正しい行いをすべきであるという考え方 (注2)身近な:身の回りの (注3)和やかな
(なごやかな):気楽でおだやかな |
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(6)いつのころからか、「若い人になにをのぞむか」とか「どのように生きてもらいたいか」というような質問をされるようになりました。
はじめは当惑(注1)しました。お前はもう若くないんだ、と不躾けに(注2)いわれたような気がして、ちょっと対応(注3)が乱れたりしましたけど、まあ、いまはそんなことをいいたいのではない。
そういう質問をされて、自分が長いあいだ、人に「どう生きて欲しい」などと願ったりすることから遠いところにいたんだな、ということに気がついたのです。だいたい、若い人にどう生きて欲しいなんていってみたって、いうことをきく人がいるものかと、自分の若いころをかえりみて(注4)、そう思うし、多少は影響をあたえうるかもしれない自分の子どもにたいしても、ほとんどそういうことは願わずに生きてきました。 (山田太一『ふぞろいの林摛たちへ』岩波ブックレットによる)
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(注1)当惑(とうわく)する:どうしてよいかわからず、困ってしまう (注2)不躾けに(ぶしつけに):相手の気持ちを考えず、失礼な態度で (注3)対応が乱れる:すぐにきちんとした答えができない (注4)かえりみる:思い出しみる |
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