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Japanese language proficiency test
010 - Task 2
Grammar and Reading

 
問題Ⅱ 次の(1)から(3)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1,2,3,4から一つ選びなさい。
 
(1)次の文章は、ある講演の記録である。

部屋があって、テーブルの上にロウソクがあります(図23)。ほかにはマッチがあります。そして画鋲(注1)が箱の中にいくつか入っています。部屋に中に壁がある。問題は、このテーブルの上にある道具を使って、ロウソクを地面に垂直(すいちょく)になるように壁に立てるというものです。要するに、ロウソクで部屋をともしたいんです。壁にロウソクを付けて部屋が明るくなるようにしたい。どうすればいいでしょうかという問題です。かっこうむずかしいですよね。(少し時間をとって、考えてもらう。)
<images>
答えなんですが、まず箱から画鋲を出してしまう。この箱を画鋲を使って壁に止める。そうすると水平の台になります。そこのロウをたらし(注2)てロウソクを立てる。これが正解(注3)です。私はすごく感心したんです。自分では思いつかなかったので、なるほどなと思いました。もっとおもしろい実験結果は、もともとこの箱に画鋲を入れずに、外に出してバラバラ(注4)にしておいて被験者(注5)に出題(注6)したほうが早く解決されるということです。画鋲が箱の中に入っているとなかなか解決ができないというんです。それはなぜだと思いますか。
私たちは、画鋲が箱の中に入っていると、「箱というのは画鋲の入れ物なんだ」というふうに考えますよね。入れ物としての機能を持っていると考えると、それを台にするというアイデアはなかなか思い浮かばないんじゃないでしょうか。入れ物としてではなく、単に一つ箱がポンと(注7)置いてあると、これを台にするという考えが浮かびやすい。
( ア )という私たちがもともともっている知識、つまり固定観念が、かえって問題解決を妨げて(またげ)しまうんです。箱というのは、入れ物にもなるけれども、台としても使えるというようなことに思い至らない。そういう例として出されている実験です。
(市川伸一「心理学から学習をみなおす」岩波高校生セミナーによる)
(注1)画鋲(がびょう):板や壁に紙などを止める小さなピン
(注2)垂らす(たらす):少しずつ下に落とす
(注3)正解:正しい答え
(注4)バラバラにする:一つにまとめないで、別々に分ける
(注5)被験者(ひけんしゃ):実験を受ける人
(注6)出題(しゅつだい)する:問題する:問題を出す
(注7)ポンと:軽く投げて置いたようす
 
問(7  「これが正解です」とあるが、その図はどれか。    図

1.2.3.4.  
 
問(8  「もっとおもしろい実験結果」とあるが、どのような条件で実験するのか。 図

1.2.3.4.  
 
問(9   ( ア )に入れるのに適当な言葉はどれか。

1.「箱というのは入れ物なんだ」
2.「箱というのは台として使えるんだ」
3.「画鋲というのは箱を止められるんだ」
4.「ロウソクで部屋を明るくできるんだ」
  
問(10  ロウソクな問題で、画鋲が箱の中に入っていることは被験者にどのように影響するのか。

1.画鋲で箱が壁に止められることに気づきにくくなる。
2.画鋲の箱が台として使えることに気づきにくくなる。
3.画鋲がこの実験では不要なことに気づきにくくなる。
4.画鋲を床に刺して使えることに気づきにくくなる。
  

(2)たとえば、メニューに次の二通りがあったとする。
A   コーヒー380円  紅茶380円 ミルク380円  
B   コーヒー380円  紅茶400円 ミルク420円
 どちらのメニューが、すぐれた値段設定(注1)かおわかりだろうか。
 答えは、Bである。
 Aのメニューでは値段に差がないなで、どれにも平均的に注文がくるかもしれない。しかし、現実にどの商品も同じぐらいの注文に応じるには、仕入れ(注2)や準備に手間がかかる。ムダをはぶくには、主力商品を決め、それを集中的に売る方が効率(注3)がいい。
 つまり、Bのメニューでは、意識的にミルクの値段を高く設定することで「おとり商品」としているのである。ミルクの注文は少なくなるだろうが、そのかわり、コーヒーは割安に感じ、注文が集中することになる。
 儲かっている喫茶店では、たいていこんな方法でおとり商品をうまく利用している。
(知的生活追跡班編「数字のウソにダマされない本」青春出版社による)
(注1)値段設定(ねだんせってい):値段の決め方
(注2)仕入れ:店で売るための商品や材料を買うこと
(注3)効率(こうりつ)がいい:労力や時間から見て利益が大きい

無駄を省く ムダをはぶく
- to exclude wastefulness
儲ける もうける - to earn, to profit
おとり - lure, decoy
優れた すぐれた - great, excellent
 
問(11  Bの方がすぐれた値段設定だといえるのはなぜか。

1.仕入れの値段や準備の手間に合わせて商品に値段をつけているから。
2.どの商品も平均的に注文がくるように、同じ値段をつけているから。
3.効率を考え、売りたい商品が割安に感じるように値段をつけているから。
4.仕入れや準備に手間がかからない商品に比較的高い値段をつけているから。
  
問(12  「おとり商品」の説明として正しいものはどれか。

1.他のよく売れる商品と同じ値段にしてある商品
2.手間やムダがはぶけるから値段を安くできる商品
3.値段が安く感じられ、注文が集中するような商品
4.少し値段を高くして、注文が来ないようにする商品
  

(3) 加藤さん

 秋も深まってまいりましたが、お元気でお過ごしのことと思います。そちらでの生活には、もう慣れましたか。
 さて、先月の25日に今年のクラス会(注1)が無事に開かれました。高校を卒業してからちょうど10年目のクラス会ということで、私たちが教えていただいた花田先生とクラスの卒業生32名が出席しました。毎年、幹事(注2)として出席していた加藤さんが欠席だったことが残念でしたが、楽しい時間を過ごしました。
 ところで、来年も10月ごろクラス会を開くことになりましたが、今後は卒業した高校周辺で行うのではなく、いろいろな所に場所を移してしようということになりました。来年の候補地(こうほち)は京都になり、京都で大学の講師(こうし)をしている佐々木君とあちらの大学を卒業した私なら京都にくわしいからと言われ、幹事を引き受けることになりました。佐々木君とも話し合い、より楽しいクラス会にしようと張り切っています。
 長い間幹事をしてきた加藤さんからもぜひよいお知恵(ちえ)をお借りしたいので、これからはたびたび相談にのってもらえればと思います。今後はメール(注3)でご連絡しますので、よろしくお願いします。では、また。
中村 ゆう子
(注1)クラス会:学校で同じクラスだった人たちが卒業後に集まって開くパーティー
(注2)幹事(かんじ):パーティーなどの準備、連絡を中心になってする人
(注3)メール:コンピューターを使って送ったり受け取ったりする手紙。電子メール。Eメール
 
問(13  この手紙を受け取る人はどんな人か。

1.最近、引越しをした人
2.これから引越しをする人
3.今年もクラス会に出席した人
4.今年もクラス会の幹事をした人
  
問(14  この手紙を書いた人が次のクラス会の幹事に選ばれたのはなぜか。

1.現在、京都の大学の講師をしていて、幹事の仕事の内容がわかっているから。
2.卒業した高校の近くだけでなく、日本のいろいろな場所を知っているから。
3.加藤さんと連絡が取れて、メールでいつでも相談にのると言われたから。
4.クラス会をする候補地にいたことがあり、そこをよく知っているから。
  
問(15  この手紙を書いた一番の目的は何か。

1.今回のクラス会に花田先生が出席したことを知ってほしい。
2.楽しいクラス会を開くためのよいアイデアを教えてほしい。
3.次の幹事に選ばれたが、やりたくないことを知ってほしい。
4.これからは手紙ではなくメールで日々の出来事を知らせてほしい。