| 問題Ⅲ 次の(1)から(7)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1234から一つ選びなさい。 |
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(1)小さな子供たちは見るもの、さわるもの、なんでも不思議がります。
「あれなあに?」「なぜ?」「どうして?」の連発(注1)で大人たちをこまらせます。いざ(注2)説明してやろうと思って、どうしてもうまく説明できず、自分ではわかっていると思っていたことが、じつはさっぱりわかっていなかった、と発見させられることがあります。
(大野栄一「数学なんてこわくない」による)
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(注1)~の連発(れんぱつ)で:~と続けて聞いて (注2)いざ:さあ、それでは |
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(2)先日は、旅行の直前(ちょくぜん)に風邪をひいてしまい、大変失礼しました。みなさまからいただいた絵はがきに旅行の楽しいようすが書いてあり、あらためて、参加できなかったことを残念に思いました。
先月、「旅行に一緒に行きませんか」とさそってくださったとき、とてもうれしくて、いろいろ準備をしていたのですが、旅行の前日からせきがとまらなくなってしまいました。頭が痛いわけでも、熱があるわけでもなかったのですが、みなさまにご迷惑をおかけしてはいけないと思い、ご一緒するのを遠慮(えんりょ)させていただきました。急なことで、本当に申し訳ございませんでした。今度はぜひ行きたいと思っておりますので、またおさそいくださいませ。どうぞよろしくお願いします。
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(3) 次の文章は、ある電力会社の広告の一部である。
将来(注1)を見すえた電力(注2)の確保とともに、
電力ビーク(注3)の伸びを抑える(おさえる)ことに努めています。
みなさまのご協力をお願いします。 電気は貯める(ためる)ことができないため、1年のうちで電気が最も使われる真夏のピークにあわせて設備(せつび)をつくらなれぱなりません。しかし、発電所(はつでんしょ)の建設(けんせつ)には10年から20年という長い期間が必要です。つまり、いまみなさまにお使いいただいている電気は10年~20年前に建設を始めた設備が作り出している電気なのです。 (1997年3月25日掲載の東京電力広告による) |
(注1)将来を見すえる/見据える:将来のことを考える
(注2)電力の確保(かくほ):必要な電力を十分に作ること (注3)ピーク:最も多いとき。ここでは「最大使用量」という意味 |
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(4)
時間に対比(注1)されるのは空間(注2)である。時聞がたつというのは、いまが過ぎてゆくことだともいえる。いまがもとのいまでなく、別のいまになってゆくことである。いまは何もしないでじっとしていても移ってゆくようにみえる。しかしいまに対比されるここ、われわれの現にいる場所、にはこのようなことはない。いまやわたしは机に向かって坐っているが、動こうとしなければいつまでも坐ったままでいられる。空間がわたしの手を引っぱって、わたしを違う場所に移すわけではない。しかしわたしはじっとしているのに、時間の方はどんどんたってゆく。これは実に不思議なことである。 (中村秀古「時聞のパラドックス」による) |
(注1)対比(たいひ)する:二つを比較(ひかく)する (注2)空間:場所 |
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(5)官能(注1)検査で「いい]、「悪い」を判断してもらうためには、一対(注2)比較法(ひかくほう)というのを用います。見かけはまったく同じで、実際には味の違うものを食べてもらうとか、同じようなケースに入れた香水の香りをかいでもらうとかです。この場合、二つの方法があります。
まず、第一の方法ではAとBを比較して、Bがよいといい、BとCを比較してCがよいといったとします。ここで(①)を比較したとき、(②)が(③)よりよければ問題がないのですが、Aの方がよいといったとすれば、判断の誤りがあるということになります。 (矢野宏「誤差を科学する」による)
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(注1)官能(かんのう):音、色、味
、温度などを感しる働き (注2)一対(いっつい):二つで一組(ひとくみ)になっているもの |
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(6) だいたいことばには、「わかる」ということで考えてみると、二種類あるものです。 一つは、自分は使わないが、意味は知っているというもので、これは少々むずかしく言うと「理解語彙」という中にはいります。
一方、人が使うのを見聞きして(みききして)、わかるだけでなく、自分も使う、というのは「使用語彙」にぞくする、というようにいいます。
「語彙」ということばは、ことばの集まりという意昧です。ですから、「理解語彙」にぞくすることばの数は「使用語彙」にぞくすることばより、ずっと多くなります。
たとえば、古い日本の歌集めた万葉集(注1)の中ことばには、いまも使われているのと、その頃だけ(あるいにもう少し後までも使われていたけれども、いまはもう現代語の中にはいらない)のものとがあります。
その、いまは使わないことばにも、また二種類あって、前後の事情(じじょう)から(専門的には文脈(ぶんみゃく)で、あるいは場面で)意味がつかめるのと、なんのことやらまったくわからん(注2)というのにわけられます。そのわかるほうのことばもまた、理解語彙のほうにはいります。
ですから、それぞれの人の理解語彙の量は、相当のふくらみがあることになります。 「お前」についていえば、理解語彙にぞくする人と、使用語彙にぞくする人と、二種類あるのではないでしょうか。
私はもちろん「お前」の意味はわかるのですが、自分自身では、まず使いません(注3)ので、(①)といってもいいでしょう。 (寿岳章子「ことばつかいの昭和史」による)
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(注1)古い日本の歌を集めた万葉集(まんようしゅう):8世紀ごろまでの歌を集めたもの (注2)なんのことやらまったくわからん:何を意味しているのかまったくわからない (注3)まず使いません:ほとんど使いません |
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(7) 日本では、2001年4月から、「家電(注1)リサイクル(注2)法」という法律が実施(じっし)される。これはゴミを減らすために、家庭で不要になった家電の処理方怯について決めたものである。この法律では、メーカー(注3)は販売店などを通じて集められたテレピ、エアコン(注4)、冷蔵庫、洗濯機の4種類の家電から鉄、銅、アルミ(注5)、ガラスなどを回収(注6)し、再び原材科や部品として利用することが義務づけられている。同時に、それぞれの製品について重量の何%ぐらいを再利用しなければならないかというリサイクル率の目標も表のように決められている。
表からわかるように、リサイクル率の目標はあまり高くない。その原因は、家電製品に多く使われているプラスチックがリサイクル法の対象外(たいしょうがい)になったためといわれている。
図のとおり、プラスチックが製品の重量のおよそ3分の1以上を占める(A)と(B)は、リサイクル率の目標が50%となっている。特に(B)は4種類の家電製品の中でプラスチックの使われている割合が最も高い。それに対して、再利用しやすいガラスが全重量の半分以上を占めている(C)は、上記の2種類に比べ、リサイク率の目標が高くなっている。また、(D)の目標の数字が最も高くなっているのは、再利用の方法が決っている金属類が多く使われるからである。
(図:1994年度NEDO調査による)
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(注1)家電:家庭用電気製品 (注2)リサイクル:資源を再利用すること (注3)メーカー:製造会社 (注4)エアコン:エア コンディショナー。室内の温度や湿度を調節する電気製品
(注5)アルミ:アルミニウム。化学記号はAl (注6)回収(かいしゅう)する:元のところに集める |
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