地球にふんだんに(注1)ある空気は、地球にもともとあったものではないのです。また雨や川や海という大量の水もありませんでした。これらがどうして地球にあるようになったのかは、しばらく前までは謎でした。
一つの説は、宇宙空間にあるガスが地球の引力に捕まって地球の空気になったというものでした。空気のような軽いものにも引力ははたらきます。薄いながら宇宙空間にガスはあるので、これはいちばん①ありそうな説でした。しかし宇宙空間のガスの成分を調べると地球の空気とはまったくちがうもので、これではいまの空気の説明はつきません。
宇宙空間からのものではなかったら、地球の空気はどこからきたのでしょうか。それは地球のなかから出てきたものにちがいありません。
②火山が原因だという説もありました。いま現在地球のなかから出てさているガスとしては、火山からのガスがあります。火山からはガスも水蒸気(すいじょうき)も大量に出てきています。成分からいえば、火山ガスは空気と似ています。だから地球の空気も水もすべて火山から出てきたにちがいないという説があったのです。
しかし、この説には難点がありました。それはガスが出てさた時間の長さでした。もし火山から地球のすべての空気や水が出てきたとしたら、火山は何十億年もの長いあいだかかって少しずつ地球の空気と水をつくっていったはずなのです。なぜなら地球上で火山がある場所はごくかぎられていますし、火山の数もそれほど多くはありません。だから地球上のすべての空気と水が火山から出てくることは、あまりに大量すぎて短いあいだには不可能だったのです。<中略>
火山が起源(注2)だという説はこうして消え、結局、地球が生まれてから二、三億年以内というごくはじめのころから大量のガスと水蒸気とをもっていたにちがいないということになりました。しかしどのように空気が生まれたのかは、まだはっきりわかっているわけではありません。地球がつくられていったときに星くずがはげしく衝突(しょうとつ)して、ガスや水蒸気をはきだした(注3)り、地球がいったん溶けていた時代に、地球をつくった材料だった隕石(注4)のなかに少しずつふくまれていたガスや水蒸気がはきだされたものだと考えられています。 (島村英紀『地球がわかる50話』岩波ジュニア新書による)
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(注1)ふんだんに:あまるほど十分に (注2)起源(きげん):物事の始まり
(注3)吐き出す(はきだす):中にたまっているものを外へ出す (注4)隕石(いんせき):地球上に落ちてきた星の破片 |
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